「AIってうちみたいな個人店には関係ない話でしょう」——先日、あるケーキ店オーナーさんからそう言われました。私自身、ケーキ店専用 店頭受取予約+AI販促プラットフォーム「いつでもケーキ」を運営するがだんだん株式会社の代表として、毎週のように現場のオーナーさんと話をしますが、同じような声を本当によくお聞きします。
ただ、その同じオーナーさんから「導入のリスクが少なそうだなと思って」「働いてない時に働いてくれるのはいいなと思った」という言葉も伺います。つまり、AIや予約システム自体を否定しているのではなく、「何から始めればいいのか分からない」という不安が一番大きいのだと、私は感じています。
結論から書きます。ケーキ屋さんがAIを始めるなら、試すのは3つだけです。しかも、順番があります。本記事ではその「今日から試せる3ステップ」を、私が実際にオーナーさんと話してきた一次情報と、いつでもケーキの予約データを根拠にお伝えします。
目次
ステップ1:会議・電話メモをAIで文字起こしする
最初の一歩としていちばんおすすめなのは、会議や電話のメモを「文字起こしAI」に任せることです。理由はシンプルで、お金がほとんどかからず、間違えてもお店の営業に影響が出ないからです。
あるケーキ店オーナーさんから、こんな話を伺ったことがあります。「結局私たちも人間なので、聞き漏らしや書き漏らしがあるんですよ」。誕生日ケーキの注文や仕入れ会議の内容を、頭と手書きメモだけで完璧に管理するのは、現実的にはかなり難しいことです。
無料・低コストで試せるツール
私自身が実際に使ったり、研修先の中小企業さんにご紹介して定着率が高かったものをご紹介します。
ケーキ店さんの実際の使い方
小さく試すなら、こんな場面から始めるのが向いていると私は感じています。
「人間なので抜け漏れがある」前提に立つと、文字起こしは保険のような役割を果たしてくれます。失敗してもデメリットがほぼゼロなので、AIの「成功体験」を作るのに最適なスタートだと私は考えています。
ステップ2:商品写真・SNS投稿文をAIで作る
2つめは、商品写真の加工とSNS投稿文の作成をAIに手伝ってもらうことです。多くのオーナーさんから「文章を書くのが苦手」「写真の撮り直しに時間が取れない」というお話を聞きます。実はここはAIの得意分野で、効果も見えやすいところです。
SNS投稿文:ChatGPTでひな型を量産する
Instagramの投稿文を毎回ゼロから考えるのは、本当に大変です。ChatGPT(無料版でも十分使えます)に、商品名・素材・お客様の年代層を伝えるだけで、3〜5パターンの投稿文を一気に書き出してくれます。
大事なポイントは、AIが書いた文章をそのまま使うのではなく、自分の言葉で1〜2割書き直すことです。お店の温度感や、お客様への呼びかけの癖は、オーナーさん自身にしか出せません。AIはあくまでひな型を作る助手と考えると、心理的なハードルもぐっと下がります。
商品写真:背景差し替えでクリスマス仕様に
写真は撮り直さずに、AIで「季節感」を足すという発想が、ここ1年で実用レベルになりました。Googleの Nano Banana(Gemini 2.5 Flash Image)などを使うと、同じケーキ写真を背景だけ夏のテーブル、クリスマスツリーの前、母の日のキッチンに差し替えることができます。
実際に、いつでもケーキを導入してくださっている店舗様で、AIで背景をクリスマス仕様にした写真を予約画面に使ったところ、「過去最高の画像になった」とフィードバックをいただいた事例があります。詳しい数字や効果は、実データを公開した別記事「ケーキ屋のAI活用で月29時間削減・営業時間外売上5.6倍の事例」でまとめていますので、合わせてご覧ください。
写真撮影のために定休日に出勤する必要が減れば、その分は商品開発や接客に時間を回せるはずです。「文章が苦手・写真が苦手」を一気に解決できるのが、このステップの魅力です。
ステップ3:ネット予約で営業時間外の取りこぼしを止める
3つめが、いちばん効果が大きく、いちばん「やってよかった」と言っていただきやすいのが、ネット予約システムの導入です。私はステップ3に置いていますが、実はここがAI活用の本丸だと感じています。
「働いてない時に働いてくれる」価値
あるケーキ店オーナーさんから伺った言葉で、忘れられないものがあります。「いいなと思ったのは、働いてない時に働いてくれるっていう、そこなんですよね」。営業時間中はケーキを作り、接客し、電話を取る。営業時間外は休む。それが個人店の現実です。
ところが、いつでもケーキの導入店舗のデータを見ると、予約の約51%が営業時間外に発生しています。閉店後・定休日・早朝に、お客様は静かにスマホで予約を入れています。電話だけで受けている限り、ここはまるごと取りこぼしです。営業時間外の売上は、1店舗あたり71万〜126万円という規模でした。
問い合わせ電話と予約電話を分ける
別のオーナーさんからは、「問い合わせの電話と予約の電話を分けてほしい」という切実な声を聞きました。製造中に電話が鳴り、毎回手を止めて出る。多くが「営業時間は何時ですか」「アレルギーは対応してますか」など、ネット上に情報があれば不要な電話です。
ネット予約を入れると、注文情報が画面で完結します。電話は本当に必要な相談だけになり、現場の集中が戻ります。ケーキ屋さんの電話予約の負担については、「ケーキ屋さんの電話予約あるある6選|予約の取りこぼしを防ぐ方法とは」でもくわしくまとめています。
月額固定費0円から始められる選択肢がある
「月額固定費が重い」「サーバー使用料が回収できるか不安」というお声も、何度も伺ってきました。最近は、月額固定費0円・初期費用0円から始められる予約システムが出てきています。私たちの「いつでもケーキ」も、料金は注文代金の5.5%(プラットフォーム利用料)と、事前決済を使う場合の3.6%(決済手数料)の従量課金のみ。売れなければ費用ゼロです。
予約システム選びで「何を比較すべきか」は、「ケーキ屋さんの予約システム|月額固定費なしで使えるサービスを比較」で詳しく整理しています。導入のリスクを抑えたいオーナーさんは、まずこちらをご覧ください。
数字の効果はハブ記事に集約しています。いつでもケーキ導入店舗で、手数料に対するROIが5.6〜5.7倍、クリスマス商戦でWeb予約0件→152件、電話対応29時間削減という結果が出ています(数字の詳細は実データ公開記事より引用)。営業時間外の取りこぼしを止めるだけで、確実に売上の天井は上がります。
AIを始める「順番」の正解
3つのステップを並べるとき、私が特に大事にしているのが「順番」です。文字起こし → 写真・投稿文 → ネット予約、というこの並びには、ちゃんと理由があります。
よくある失敗パターンは、「いきなり全部一気に始めようとして、結局どれも続かない」ことです。新しいツールをまとめて入れた月は、現場が混乱して通常業務にも影響が出ます。「一つずつ、3ヶ月だけ試してみる」と決めると、続けやすさが大きく変わります。
3ヶ月で効果が見えなければ、いさぎよくやめても良いと思います。文字起こしも、画像生成も、月額0円から始められるネット予約も、辞めるコストが小さいのが最大のメリットです。続けるか辞めるかを、3ヶ月のデータで判断する。これだけ決めておけば、失敗が失敗にならず、ちゃんと学びになります。
ケーキ店専用 店頭受取予約+AI販促プラットフォーム「いつでもケーキ」
初期費用0円・月額0円。実際にケーキ屋さんと一緒に開発した、現場から生まれたシステムです。
スマホ1台あれば導入できます。営業時間外の予約・電話応対の負担軽減から、AIによる写真生成・販促まで対応。
まとめ & よくあるご質問
ケーキ屋さんのAI活用は、難しいものではありません。一気に全部を変える必要もありません。文字起こしから始めて、写真・投稿文をAIに手伝ってもらい、最後にネット予約で営業時間外の売上を取りに行く。この3ステップを「順番に・一つずつ・3ヶ月単位で」試していけば、お店の営業を止めずに、ご自身のペースでAIと付き合っていけます。
私自身も、最初は新聞販売店の家業を継いだ非エンジニアです。それが今、AIと一緒にケーキ屋さん向けのサービスを作るところまで来ました。「AIが苦手な人」ほど、AIで救われる余地が大きいと、私は本気で思っています。
Q1. AIが苦手でも本当に使えますか?
使えます。ステップ1の文字起こしは、録音ボタンを押すだけです。文章を書くのが苦手な方ほど、AIに「ひな型を作ってもらってから直す」というやり方が向いています。完璧に使いこなそうとせず、まず1つだけ試してみてください。
Q2. 月にいくらかかりますか?
ステップ1・2は無料枠から始められます。ステップ3のネット予約も、月額固定費0円から始められる選択肢があります。「いつでもケーキ」の場合、料金は注文代金の5.5% + 事前決済利用時の決済手数料3.6%のみで、初期費用も月額も0円です。売れなければ費用は発生しません。
Q3. 効果が出るまでどれくらいかかりますか?
ステップ1の文字起こしは、初回から「メモを取らずに会議に集中できる」効果が出ます。ステップ2の写真・SNSは、投稿の反応で1〜2週間で見えてきます。ステップ3のネット予約は、お誕生日・年中行事の波が一巡する3ヶ月で判断するのが目安です。
Q4. 何から始めるのが一番楽ですか?
迷ったらステップ1の「文字起こし」です。失敗してもお客様に影響が出ず、コストもほぼかかりません。AIに慣れる「練習試合」として、ここから始めてください。順序を変えてしまうと、心理的なハードルが上がってしまうことが多いです。
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