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ケーキ屋さんの顧客管理|RFM分析で『また来てくれる仕組み』を作る

ケーキ屋さんの顧客管理|RFM分析で『また来てくれる仕組み』を作る

「ケーキ屋さんの顧客管理、何から手を付ければいいですか」と聞かれることが増えました。レジで誰が買ってくれたかは分かるけれど、その先のリピーター施策まで設計できているお店は、私の体感ではまだ少数です。営業先で「常連さんが減ってきた気がする」「新規ばかり追いかけて疲れた」という声を、ここ半年で何度も伺いました。

この記事では、ケーキ屋さんの顧客管理を「RFM分析」というフレームで整理する方法を、現場の言葉に翻訳しながらまとめます。私自身、家業の新聞販売店で15年ほど購読者管理に向き合ってきた経験と、いまケーキ店専用 店頭受取予約+AI販促プラットフォーム「いつでもケーキ」を運営する中で見えてきた予約データから、お話しできることをまとめました。

なぜ個人ケーキ店ほど「顧客管理」が難しいのか

先日、夫婦経営で営業時間を絞っている都市部のあるオーナーさんから、こんな言葉を伺いました。「少数精鋭でいいと思っているので、もう売上じゃなくて、利益はどれだけ残すか」。この一言が、今のケーキ屋さんの顧客管理の難しさをよく表しています。

個人ケーキ店は、菓子作りの時間・接客の時間・販促の時間が一人の人間の中で奪い合いになります。新規集客に時間を取られると、いまいるお客様への接触が薄れる。けれど、リピーターさんへの目配りを増やそうとしても、誰が「最近来ていないか」を把握する仕組みがない。結果として、せっかく良い接客で来てくださったお客様が、半年・1年と空いてしまい、いつの間にか競合に流れていく

「いつでもケーキ」を導入していただいているお店のデータを見ていると、通常期の予約の約90%は「誕生日のお祝い」が占めています。そして7〜8人に1人が、いずれリピーターになります。ここに「年中行事のたびに思い出してもらえる仕組み」を足すと、利益率は一気に変わる。けれど、その仕組みを設計するための前提が、顧客管理の整理です。

顧客管理というと「会員カードを作って情報を集める」という発想になりがちですが、私は順番が逆だと考えています。情報を集める前に、「集めたお客様データをどう分類して、誰に何を送るか」を先に決める。そのための一番シンプルなフレームが、これからご紹介するRFM分析です。

RFM分析とは何か(ケーキ屋さんの言葉に翻訳すると)

RFM分析は、お客様を3つの軸で見る方法です。マーケティングの教科書では「Recency(最終購入日)・Frequency(購入頻度)・Monetary(購入金額)」と書かれていますが、ケーキ屋さんの言葉に翻訳すると、こんな問いになります。

R(最後にいつ買ってくれたか):あのお客様、最後にケーキを買ってくれたのは何ヶ月前だっけ?
F(何回買ってくれたか):このご家族、年に何回うちに来てくれているっけ?
M(いくら使ってくれたか):このお客様、トータルでいくらお買い上げいただいてるっけ?

この3つの問いをお客様ごとに把握できると、「同じリピーター」と一括りにしていた人たちの中に、まったく違う顔が見えてきます。たとえば、半年前に1回だけ大きなオーダーをした人と、3ヶ月に1度コンスタントに来てくれる人は、同じ「リピーター」でも打つべき手がまるで違う。

RFMの面白いところは、難しいデータ分析ではなく、「最後にいつ・何回・いくら」の3つだけを見るシンプルさです。エクセル1枚で始められますし、予約システムを使っているお店なら自動で集計できます。

R(最後にいつ)— 「お元気ですか?」を出すタイミングを決める軸

最初に手を付けたいのが、R(最後にいつ買ってくれたか)です。私はこの軸を、お店側から「お元気ですか?」のひと声を出すためのタイミングメーターだと考えています。

通常期の予約が約90%は誕生日のお祝い、というデータがあると申し上げました。これはつまり、多くのお客様は「年に1回」うちに来ているということ。だとすれば、最後の購入から13〜14ヶ月経っているお客様は、「今年の誕生日、もしかしてうちを忘れていませんか?」とお声がけしていい時期です。

私は新聞販売店時代、購読を止められそうなお客様の名簿を月初に並べて、配達員さんが顔を出すルートを組んでいました。「数字で見て、人の手で会いに行く」。これは今のケーキ屋さんの顧客管理でも、まったく同じ構造で使えると感じています。

具体的な目安としては、Rを「90日以内」「91〜365日」「366日以上」の3段階に分けるだけでも十分です。366日以上空いてしまった方は「優良離反客」と呼ばれる、最も丁寧に向き合いたい層。ここに「お変わりありませんか?」「来月、新しいケーキが出ますよ」というハガキやメッセージを出すだけで、引き戻しの確率はかなり違ってきます。

F(何回買ってくれたか)— 7〜8人に1人のリピーターを見分ける軸

次に見るのが、F(購入頻度)です。「いつでもケーキ」の導入店舗データでは、購入してくださった方のうち7〜8人に1人が、その後リピーターになっていきます。この「7〜8人に1人」の中身を、Fの軸で見ると、さらに細かい層が見えてきます。

たとえば、年に1回の誕生日だけ来てくれる方と、誕生日+クリスマス+父の日のように年に3〜4回利用してくださる方は、同じリピーターでも「お店との関係性の深さ」がまるで違います。後者は、ご家族の年中行事の中に、すでにうちのお店が組み込まれている。この層は本来、最も大切に扱うべきお客様です。

Fが高い方ほど、新しい商品の情報を最初に届ける・季節限定品の予約を優先的にご案内する・名前を覚えて呼ぶ、といった「特別感」の演出が効きます。逆に、Fが低い(1〜2回しか来ていない)方には、「年中行事の前のリマインド」が効く。同じお客様でも、Fの位置によって出すメッセージを変えるのが、顧客管理の基本動作です。

Fを記録するために特別なシステムは必要ありません。レジの履歴や予約システムの注文履歴を、月に1回でいいので「年に何回利用してくれたか」の列に集計するだけで、自店のリピーター構造が一気に見えてきます。

M(いくら使ってくれたか)— 上位2割が利益を生む構造

最後がM(購入金額)です。「売上の8割は2割のお客様が生んでいる」という話を聞いたことがあるかもしれません。これはケーキ屋さんでも、実感として当てはまるお店が多い印象です。誕生日に毎年6号サイズを頼んでくださるご家族、ホールでオーダーケーキを年に何度も注文されるお客様。この上位層が、お店の利益を支えています

Mが高いお客様は、お店から能動的に大切にする努力をすべき層です。ところが現場では、新規のお客様への対応で手一杯になり、長年通ってくださっている方への「ありがとう」が、忙しさの陰で見えなくなりがちです。

「いつでもケーキ」のシステムでは、予約データから自動で各お客様の累計購入額を集計しています。年末に上位20%の方へお礼のメッセージカードを添える、というだけでも、翌年のリピート率は確かに変わってきます。Mを見ずに新規ばかり追いかけていると、いつの間にか「常連さんが離れていた」ということが起きるのは、この上位層への目配りが薄くなっているサインです。

9マスでお客様を分類して、誰に何を送るかを決める

RFMの3軸を、それぞれ「高・中・低」の3段階で評価すると、お客様は理論上3×3×3=27分類できます。ただ、現場で実用するなら「R × F」の9マスから始めるのが、シンプルで運用しやすいと感じています。

R × F の9マス分類と、打つべき手
① R高・F高(最近来てる × 何度も来てる):常連層。新商品の先行案内・名前を覚えて呼ぶ・限定品の予約優先権など、特別感の演出
② R高・F低(最近来た × まだ1〜2回):育成層。次回来店のきっかけになる季節商品の案内・誕生月リマインド
③ R低・F高(しばらく来てない × 過去は何度も来てた):優良離反客。最も丁寧に手紙やメッセージで「お元気ですか?」
④ R低・F低(しばらく来てない × 元々1〜2回):休眠層。SNSや広告で「お店を思い出してもらう」緩い接触で十分
⑤ 中間層:年中行事リマインド(誕生日・クリスマス・母の日・父の日)の定期接触

この9マス分類のいいところは、「同じメッセージを全員に送らない」という当たり前のことを、当たり前に実行できることです。今までSNSや一斉DMで全顧客に同じ告知をしていたとしたら、それは「常連さんにも、しばらく来ていない人にも、同じ熱量で接している」のと同じこと。受け取る側の温度感は当然違います。

私が新聞販売店時代に学んだのは、「優良離反客は、新規より戻ってきてくれる確率が高い」ということです。一度うちを選んでくださった経験のある方に、もう一度ご縁を結び直す。これは新規開拓の何倍も効率がいい仕事です。RFMの9マスは、そういう「戻ってきてくださるかもしれない人」を浮かび上がらせる地図でもあります。

「いつでもケーキ」のAI販促機能で、RFMが自動で回り始める

ここまでお読みいただいて、「考え方は分かったけれど、毎月のRFM集計やお客様への声がけを、自分の手でやり続けるのは現実的に難しい」と感じた方も多いと思います。実際、店舗運営のかたわらでExcelを開いてリストを作る時間は、なかなか取れません。

私たちが運営している「ケーキ店専用 店頭受取予約+AI販促プラットフォーム『いつでもケーキ』」は、まさにこのRFMの仕組みを自動で回すために設計しています。予約データから「R(最後の購入日)」「F(年間利用回数)」「M(累計購入額)」を自動集計し、開発中のAI自動販促機能では、購入履歴と季節に合わせたメッセージをタイミング良く配信していきます。

料金は、初期費用も月額固定費もゼロ。注文代金の5.5% + 決済手数料3.6%(事前決済利用時のみ)の従量課金です。売れた分だけお代をいただく設計にしているのは、「売れなければ私たちも稼げない、だから売れる仕組みを全力で作る」という、お店と同じ船に乗る前提を、料金体系そのもので表明したかったからです。

さらに、AI機能の売上の一部はお店にお戻しする設計にしています。お店に良い機能が届く → 売上が上がる → その一部をお店に還元 → 次の機能を作る、という循環で進めていく。RFMで顧客管理を仕組み化しながら、お店の利益率も改善する。そういう設計を目指しています。

明日からできる3ステップ

最後に、明日からRFM顧客管理を始める3ステップをまとめます。

STEP1:直近12ヶ月の予約・販売履歴から、お客様ごとに「R(最後の購入日)」「F(年間回数)」を出す。エクセル1枚で十分です。
STEP2:R × Fの9マスに分類し、まずは「R低・F高(優良離反客)」だけリスト化する。ここに手書きハガキを送るだけで、最も大きな成果が出やすい。
STEP3:年中行事(誕生日・クリスマス・母の日・父の日)の2週間前リマインドを、中間層に向けて自動化する。手作業でしんどい場合は、予約システム側で自動化する方法を検討する。

大事なのは、最初から完璧な分類を目指さないことです。「最後にいつ来てくれたか」を見るだけでも、顧客管理は前進します。そこから少しずつ、Fを足し、Mを足し、ご自分のお店に合った形で育てていけば十分です。

まとめ|「また来てくれる仕組み」は、地味な分類から始まる

ケーキ屋さんの顧客管理は、派手なマーケティング施策ではなく、「最後にいつ・何回・いくら」というシンプルな3軸の整理から始まります。RFM分析はその整理の道具にすぎませんが、これがあるとないとでは、お客様への接し方の解像度がまったく違ってきます。

少数精鋭で利益率を上げたいオーナーさんにとって、新規追いかけ続けるより、いま手元にいるお客様を大切にする仕組みのほうが、ずっと再現性が高い。私が新聞販売店15年の経験から、確信を持って言えることのひとつです。

「いつでもケーキ」では、このRFMの考え方を予約データから自動で実行できるよう、AI販促機能を含めて開発を続けています。ご興味があれば、下のリンクからサービス全体像をご覧いただければと思います。

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