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ケーキ屋さんの受け取り時間の決め方|午前中のパンクを防ぐ時間帯別リードタイム設定チェックリスト

ケーキ屋さんの受け取り時間の決め方|午前中のパンクを防ぐ時間帯別リードタイム設定チェックリスト

ケーキ屋さんの受け取り時間は、お店が決めているつもりで、実はお客様の希望に押し切られていることが少なくありません。とくに午前中。開店直後の数十分に受け取りが重なって、厨房と店頭が同時に詰まる。あるオーナーは「朝イチの10時開店で複雑なケーキを出せと言われると大変です。本当は受け取りは11時以降にしたい」とおっしゃっていました。この記事では、商品ごと・時間帯ごとのリードタイム(注文から渡せるまでに必要な準備時間)を予約の受付側で設計して、受け取りを「ならす」考え方を整理します。

私は新聞販売店を15年やってきました。朝刊と夕刊には、どうしても動かせない配達のピークがあります。人を増やしても、ピークそのものは平らになりません。平らにできるのは「受け付ける段階」だけでした。ケーキ屋さんの受け取り時間も、同じ構造をしていると思っています。

なぜケーキ屋さんの受け取りは午前中に集中するのか

いつでもケーキの予約データを見ていると、通常期の予約の約90%が「誕生日のお祝い」目的です。誕生日のケーキには、ほぼ例外なく「今日の夜に食べる」という決まった出口があります。そして多くのお客様は、その日の予定を組むときに、ケーキの受け取りをいちばん前に置きます。買い物、実家への移動、子どもの送り迎え。順番を考えると、ケーキは「先に取っておきたいもの」になるのです。

結果として、受け取り希望は開店直後に寄ります。ところが開店直後は、お店にとって一日でいちばん余裕がない時間帯です。デコレーションの仕上げが残っている、ショーケースへの並べ込みが終わっていない、焼き上がりを待っている商品がある。あるオーナーの言葉を借りれば「タルトのように組み立てに時間がかかるものを朝イチで出せと言われると、前日にどれだけ準備しても間に合わない」という状態です。

現場で起きている「午前中の詰まり」

・開店直後に受け取りが重なり、店頭に列ができる
・仕上げ途中の商品を追いかけながら接客することになる
・列が長いほど、確認(お名前・のし・プレート)が雑になりやすい
・午後は逆に手が空き、一日の中で忙しさの落差が大きくなる

この詰まりは、単に「疲れる」だけでは終わりません。確認が雑になった分だけ、渡し間違いや名前の間違いのリスクが上がります。誕生日のケーキは作り直しがきかない商品なので、ここで起きるミスは金額以上に重いものになります。予約管理のミスをどう防ぐかについては、誕生日ケーキの予約管理でミスを防ぐ方法でも詳しく整理しています。

受け取り時間を決めている3つの要素

「受け取り時間をどう決めればいいか」という話は、たいてい一つの問題として語られます。でも現場を分解すると、性質の違う3つの要素が重なっているだけだとわかります。ここを分けずに考えると、どこを直せばいいのかが見えません。

受け取り時間を構成する3つの要素と、それぞれの打ち手
要素 現場での意味 打ち手
商品ごとの仕込み時間 タルトや立体デコは前日仕込みでも朝の作業が残る。生クリームのみの定番は当日でも回る 商品ごとにリードタイムを分ける
時間帯ごとの処理能力 10時台に渡せる件数には物理的な上限がある。人を増やしても上限は大きく動かない 時間帯ごとに受け取り上限を決める
お客様の希望時間帯 「早いほうが安心」で開店直後に集まる。実は夕方でも問題ない人が一定数いる 選べる時間帯を提示して、選んでもらう

3つ目が、いちばん見落とされる要素だと思っています。お客様は「開店直後がいい」と強く思っているわけではなく、選択肢を提示されていないから、いちばん早い時間を言っているケースが多いのです。電話で「何時ごろがよろしいですか」と聞けば、たいてい「開店したらすぐ」と返ってきます。けれど「11時以降でしたら10分刻みでお選びいただけます」と提示すると、14時や16時を選ぶ方が現れます。聞き方が違うだけで、答えが変わります。

時間帯別リードタイムで受け取りを「ならす」3ステップ

ステップ1|商品ごとにリードタイムを分ける

最初にやるのは、全商品を同じ「◯日前まで」で締めるのをやめることです。定番のショートケーキと、写真をプリントする特注品と、立体のデザインケーキでは、必要な準備時間がまったく違います。それを一律にすると、いちばん手のかかる商品に合わせて全体を締めることになり、当日でも作れる商品の売り逃しが起きます。

目安としては、商品を3〜4段階に分けるところから始めます。「当日OK」「前日まで」「3日前まで」「1週間前まで」。この4段階でも、現場の窮屈さはかなり変わります。細かく分けすぎると設定と説明が面倒になるので、最初は粗くていいと思っています。

ステップ2|時間帯ごとに受け取り上限を決める

次に、時間帯ごとに「ここまでなら渡せる」という件数を決めます。ここで大事なのは、理想の数ではなくいちばん人が少ない日に回る数を入れることです。上限は、余裕がある日を想定して決めると意味がなくなります。

あるオーナーは、繁忙期に受け付けを絞らなかった年のことを「パンクしちゃったよ」と振り返っていました。受け切れなかった予約は、その日の売上を減らすだけでなく、翌年の指名を減らします。上限を決めるのは、お客様を断るための機能ではなく、受けた注文をきちんと渡し切るための機能です。繁忙期のキャパシティ設計についてはクリスマス予約がパンクしない準備で、サーバー負荷と合わせて整理しています。

ステップ3|開店直後を「受け取り可能」から外す勇気

3つめが、いちばん決断のいるところです。開店から30分〜1時間を、予約商品の受け取り枠から外す。あるいは「当日OKの定番商品だけ受け取り可」にする。これを決めると、朝の作業が最後まで走り切れるようになります。

「お客様が減るのでは」と心配される方が多いのですが、実際に外してみると、受け取り時間の希望はその前後にずれるだけで、注文自体は減りにくいものです。誕生日のケーキは「その日に受け取れれば成立する」商品だからです。むしろ、無理に開店直後で受けて仕上がりが甘くなるほうが、失うものが大きいと思っています。

上限を決めるときの考え方

・基準は「余裕のある日」ではなく「人が足りない日」
・10分刻み・15分刻みで枠を切ると、列がばらける
・上限に達したら自動で締まる状態にする(都度の判断をなくす)
・繁忙期は通常期と別の上限を持たせる

夏とお盆に、受け取り時間の相談が増える理由

夏は、受け取り時間の相談が明らかに増える季節です。理由は単純で、ケーキを持ち歩ける時間が短くなるからです。「何時がいちばん冷えていますか」「保冷剤はどれくらい入れてもらえますか」といった質問が増え、その結果として「できるだけ食べる直前に受け取りたい」という希望が集まります。

つまり夏は、朝の集中と夕方の集中が同時に起きます。帰省や親族の集まりが重なるお盆には、これがさらに濃くなります。この時期に「時間帯ごとの上限」が設定されていないと、夕方の数十分に予約が積み上がって、当日その場で謝ることになります。夏場の受け取り時間は、お客様への案内文(保冷剤・持ち歩き時間の目安)と一緒に設計しておくと、問い合わせそのものが減ります。

電話とDMで受け取り時間を調整する限界

ここまでの設計を、電話とメッセージのやり取りだけで運用しようとすると、必ず人の時間で払うことになります。「その時間は難しいので、11時以降でいかがでしょうか」「では12時で」——この往復が1件あたり数分。デザインケーキの電話注文は1件15分ほどかかり、1日5件で75分が消えます。あるオーナーは、SNSのメッセージでの調整について「やり取りがいつまで経っても減らない」とおっしゃっていました。

しかも、この調整は営業時間中にしかできません。いつでもケーキの予約データでは、予約の約51%が営業時間外に発生しています。夜に「明日の朝10時に受け取りたい」と考えたお客様が、電話がつながらないまま他のお店を探すこともあります。営業時間外の売上は1店舗あたり71万〜126万円ぶんあり、ここを取りこぼす影響は小さくありません。電話にまつわる現場の困りごとはケーキ屋さんの電話予約あるある6選にまとめています。

受け取り時間の設計は、本来「お店が決めて、お客様が選ぶ」だけで済む話です。人が毎回交渉しているのは、選べる形になっていないからです。商品ごとのリードタイムと時間帯ごとの上限を予約の受付側に持たせてしまえば、お客様は開いている枠から選ぶだけになり、調整の往復そのものが消えます。

受け取り時間の設定チェックリスト

明日からご自身のお店で確認できる形に整理しました。全部を一度にやる必要はありません。上から順に、いまの状態に近いところから手を付けてみてください。

受け取り時間・リードタイム設定のチェックリスト
確認すること できていない場合の一手
商品ごとにリードタイムが分かれているか 「当日/前日/3日前/1週間前」の4段階に仕分けする
開店直後の受け取り可否を決めているか 開店30分〜1時間を予約受け取りの枠から外してみる
時間帯ごとの受け取り上限があるか 人が足りない日に渡せる件数を基準に上限を入れる
枠が埋まったら自動で締まるか 都度の判断をやめ、受付側で自動で閉じる形にする
繁忙期の上限を別に持てるか クリスマス・母の日は通常期と別設定にする
夏場の持ち歩き案内を出しているか 保冷剤と持ち歩き時間の目安を予約画面と店頭に置く
営業時間外に受け取り時間まで決められるか Web予約で「日時まで確定」できる導線にする

ケーキ店専用 店頭受取予約+AI販促プラットフォーム「いつでもケーキ」では、この商品ごとのリードタイムと時間帯別の受け取り上限を、お店ごとに設定できるようにしています。もともと私たちが思いついた機能ではなく、繁忙期に受け切れなかった経験を持つオーナーから「時間帯ごとに注文数を制限したい」とご相談をいただいて作ったものです。料金は初期費用0円・月額固定費0円で、注文代金の5.5% + 決済手数料3.6%だけをいただく設計にしています。予約が来なかった月の固定費を、お店に背負わせないためです。売れなければ私たちも稼げない。だから売れるための機能を全力で作るしかない、という同じ船に乗る構造を選んでいます。

よくあるご質問

ケーキの受け取り時間は何分刻みで設定するのがいいですか?

まずは30分刻みから始めて、混み合う時間帯だけ10分〜15分刻みに細かくするのがおすすめです。最初から全時間帯を細かくすると、設定も店頭での確認も煩雑になります。刻みを細かくする目的は「列をばらけさせること」なので、混雑する帯だけで効果が出ます。

開店直後の受け取りを断ると、お客様が離れませんか?

受け取り時間の希望は前後にずれることが多く、注文そのものが減るケースは限られます。誕生日のケーキは「その日に受け取れれば成立する」商品だからです。断るのではなく「11時以降でしたらこの時間から選べます」と、選べる形で提示するのが大切です。

商品ごとにリードタイムを変えることはできますか?

予約の受付側で商品別にリードタイムを持てる仕組みであれば可能です。定番商品は当日受付、写真プリントや立体デコは3日前まで、というように分けられます。逆に一律で締めている状態だと、当日でも作れる商品の売り逃しが起きます。

時間帯別の受け取り上限は、どうやって決めればいいですか?

「人がいちばん少ない日に、その時間帯で確実に渡せる件数」を基準にしてください。余裕のある日を想定して決めると、上限が機能しません。1〜2週間運用して詰まらなければ、少しずつ上げていくやり方が安全です。

ケーキ店専用 店頭受取予約+AI販促プラットフォーム「いつでもケーキ」

初期費用0円・月額0円。商品ごとのリードタイムと時間帯別の受け取り上限を、お店の現場に合わせて設定できます。実際にケーキ屋さんと一緒に開発した、現場から生まれたシステムです。

詳しくはこちら →

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