ケーキ屋さんの値上げ・価格転嫁は、「いくら上げるか」よりも「どう伝えるか」で結果が大きく変わります。原材料がどんどん上がるなか、値上げせずに耐えるのも限界がある。けれど上げ方を間違えると、お客様が静かに離れていく。この記事では、安売り競争に巻き込まれずに「価値で選ばれるお店」として値上げを受け入れてもらうための伝え方を、お客様が納得する5つのコツとして、現場の声と私自身の経営経験からお伝えします。
この記事でわかること
目次
なぜ今、ケーキ屋さんの値上げ・価格転嫁が避けられないのか
私は、ケーキ店専用 店頭受取予約+AI販促プラットフォーム「いつでもケーキ」を運営する中で、多くのケーキ屋さんのオーナーとお話ししてきました。最近とくに増えているのが、コストの相談です。あるケーキ店オーナーは「原材料がどんどん上がってきてしまっている」と話していました。バター、小麦、卵、砂糖、そして包装資材や光熱費まで、上がっていないものを探すほうが難しい状況です。
こうしたコスト上昇を販売価格に反映させることを、価格転嫁と言います。本来は当たり前のことですが、ケーキ屋さんの場合、「お祝いの場に出すものだから、あまり高くしたくない」という気持ちが働いて、値上げをためらってしまう方が少なくありません。その結果、上がり続けるコストを利益を削って吸収し、気づけば一番忙しい時期ほど手元に残らない、という状態になりがちです。値上げは、もはや避けられない経営判断になっています。
「ただ価格を上げるだけ」の値上げが続かない理由
ここで、私自身の経験を少しお話しさせてください。私はケーキ店を始める前、家業の新聞販売店を15年ほど経営していました。あるとき購読料が約15%値上げされたことがあります。単純に考えれば、その分だけ増収になるはずでした。ところが実際には解約が増え、増えたはずの収入は13ヶ月ほどで消えてしまいました。
このとき痛感したのは、「理由を添えずに価格だけを上げると、お客様は価格でしか判断できなくなる」ということです。値上げそのものが悪いのではありません。値上げを「ただの負担増」として受け取られてしまうと、お客様は離れる理由を探し始めてしまうのです。守りのつもりで上げた価格が、かえってお店の体力を削ることがある。だからこそ、値上げは「伝え方」とセットで考える必要があります。ここからは、お客様が納得する伝え方を5つのコツに分けてお話しします。
お客様が納得する値上げの伝え方・5つのコツ
コツ1. 理由を、正直に・短く添える
「原材料価格の高騰により」という一言があるかないかで、受け取られ方は大きく変わります。お客様は、理由のない値上げには反発しますが、理由のある値上げには驚くほど寛容です。長い言い訳は不要で、正直に短く伝えるのがいちばん伝わります。値札やプライスカード、お店のSNS、予約画面のお知らせなど、お客様の目に触れる場所にさりげなく添えておきましょう。
コツ2. 一律ではなく、メリハリをつける
すべての商品を同じ率で上げる必要はありません。価格に敏感な定番の焼き菓子は据え置き、主役になる誕生日ケーキやホールケーキ、季節の限定商品はしっかり価格に反映する、といったメリハリのほうが、お客様の心理的な抵抗は小さくなります。「毎日のおやつ」と「特別な日のごちそう」では、お客様が許容できる価格帯がそもそも違うからです。お店全体の利益を守りながら、値上げの痛みを感じさせにくくする工夫です。
コツ3. 伝えるタイミングを選ぶ
値上げは、できれば事前に予告するのがおすすめです。「来月から価格を改定します」と先にお伝えすることで、お客様は心の準備ができ、不意打ちにはなりません。また、クリスマスや母の日のような年中行事の繁忙期は、価格よりも「予約できること」「間に合うこと」が優先される時期です。改定のタイミングをこうした繁忙期の前後にうまく合わせると、値上げが目立ちにくくなります。
コツ4. 「価格で選ばれる」から「価値で選ばれる」へ移る
同じように値上げをしても、お客様が「仕方ないね」と受け入れてくれるお店と、静かに離れていくお店があります。その違いは、そのお店が「価格で選ばれているか」「価値で選ばれているか」にあると私は考えています。いつでもケーキの導入店舗のデータを見ていると、通常期の予約の約90%が誕生日のお祝いを目的としたものでした。お客様はスポンジとクリームを買っているのではなく、「その日の主役が笑顔になる時間」を買っています。誕生日や記念日のケーキは、数十円・百円の差で他店に流れるものではありません。値上げを考えるときは、価格表をいじる前に「うちは何で選ばれているのか」を一度見つめ直すことが、遠回りのようでいて一番の近道になります。
コツ5. 値上げと一緒に「価値」を足す
いちばんお伝えしたいのは、値上げは「価値を足す」とセットで考えると、まったく違う景色になるということです。価格だけが上がるとお客様は損をした気持ちになりますが、値上げと同じタイミングで体験が良くなれば、「少し高くなったけど、その分良くなった」と感じてもらえます。たとえば、24時間いつでも予約できる、事前に決済できる、予約画面で完成イメージの写真が見られる、世界に一つのバースデーソングが付けられる。こうした「そのお店ならではの体験」は、価格競争とはまったく別の軸でお店を選んでもらう理由になります。
私たちが提供しているケーキ店専用 店頭受取予約+AI販促プラットフォーム「いつでもケーキ」は、初期費用も月額固定費もいただかず、注文代金の5.5%(税込)+事前決済時の決済手数料3.6%という、売れた分だけの料金体系にしています。お店が値上げに踏み切るとき、その価格に見合う体験を一緒に積み上げていく。売れなければ私たちも稼げないからこそ、お店が「価値で選ばれる」ようになる機能を、同じ船に乗って作り続けたいと考えています。
よくある質問(FAQ)
Q. ケーキ屋さんは値上げするとお客様が離れませんか?
理由を添えずに価格だけを上げると離れやすくなりますが、理由を正直に伝え、価値で選ばれている商品を中心に上げれば、多くのお客様は受け入れてくれます。とくに誕生日や記念日のケーキは価格差で他店に流れにくい領域です。
Q. 値上げはすべての商品を同じだけ上げるべきですか?
いいえ。定番の焼き菓子は据え置き、主役になるホールケーキや季節限定商品はしっかり反映する、といったメリハリをつけたほうが、お客様の抵抗が小さく、お店全体の利益も守りやすくなります。
Q. 値上げを伝えるのはいつがいいですか?
できれば事前予告がおすすめです。「来月から改定します」と先にお伝えすると不意打ちになりません。また、クリスマスや母の日などの繁忙期前後は価格が目立ちにくいタイミングです。
Q. 価格転嫁と付加価値はどう違いますか?
価格転嫁は上がったコストを価格に反映することで、守りの対応です。付加価値は、体験やサービスを足して「その価格に見合う理由」を作ることで、攻めの対応です。両方をセットで進めると、安売り競争に巻き込まれずに値上げを受け入れてもらいやすくなります。
ケーキ店専用 店頭受取予約+AI販促プラットフォーム「いつでもケーキ」
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