ケーキ屋さんの外国人のお客様への対応について、先日、あるオーナーの方とお話しする機会がありました。「うちの店も増えてますね」とおっしゃるので、私は続けてこう伺いました。そういうお客様は、何語で注文されるんですか、と。
返ってきた答えは、私の予想と違いました。「日本語上手です。こっちが身構えてると、普通に注文してくれるので」
先に結論を書きます。外国籍のお客様のために、特別な仕組みを一から用意する必要はあまりありません。現場で行き違いが起きやすいのは、言葉そのものよりも、お名前・連絡先・プレートの文字・サイズといった「書き取り」の部分です。そしてそれは、日本人のお客様のご注文でも同じように起きています。
この記事では、ケーキ屋さんのオーナーの方々から伺った話をもとに、誰にとっても間違いが起きにくい受け方と、大きいサイズの注文を取りこぼさない準備をまとめます。
この記事の内容
街のケーキ屋さんにも、外国籍のお客様が増えている
出入国在留管理庁の発表によると、2025年末時点で日本に暮らす外国籍の方は412万5,395人でした。前の年から35万人あまり増え、過去最高を更新して、初めて400万人を超えています(出入国在留管理庁「令和7年末現在における在留外国人数について」)。
外国人のお客様というと、観光で日本に来た方を思い浮かべるかもしれません。ただ、この数字は日本で暮らしている方の数です。近所に住み、子どもを同じ学校に通わせ、誕生日には家族でケーキを囲む方たちです。つまり、観光地のお店だけの話ではなく、住宅街にある街のケーキ屋さんのお客様の話です。
私自身の感覚でも、この変化ははっきりしています。私が小学生のころ、同級生に海外にルーツを持つ子はいませんでした。それが今では、ひとつのクラスに1人か2人いるのが当たり前になっています。
私たちがケーキ屋さんとお話ししていても、「外国籍のお客様が増えた」という話は自然に出てきます。冒頭のオーナーの方も、そのおひとりでした。
身構えているのは、お店のほうかもしれない
外国籍のお客様が増えていると聞いて、私が最初に考えたのは「言葉の壁」でした。注文画面を英語にしたほうがいいのではないか。メニューを何か国語かで用意したほうがいいのではないか。
ところが、実際にお店に来ているお客様の様子を伺うと、話は少し違いました。
「うちの店も増えてますね」「日本語上手です」「こっちが身構えてると、普通に注文してくれるので」
― 外国籍のお客様が増えているというケーキ屋さんのオーナー
このお店では、英語・韓国語・中国語・日本語の表記を「一応」用意しているそうです。それでも、来店されるお客様は日本語で普通に注文されている、とのことでした。
私はこの「こっちが身構えてると」という言葉が、いちばん大事なところだと受け取りました。日本で暮らしている方の多くは、日本語での買い物に慣れています。お店が「外国の方だから」と構えすぎると、かえって普通のやり取りがぎこちなくなります。
いつでもケーキを導入しているお店のデータでは、ふだんの時期の予約の約90%が誕生日のお祝いです。家族の誕生日を祝いたいという気持ちは、どこの国の方でも変わりません。特別扱いをするより、ほかのお客様と同じように、気持ちよく迎えること。まずはそれで十分なのだと思います。
そのうえで、整えておきたいところがあります。それが次の「書き取り」です。
行き違いが起きやすいのは「言葉」より「書き取り」

会話はできても、ご注文の内容を紙に書き取る段階で行き違いが起きることがあります。ここで大事なのは、これは外国籍のお客様に限った話ではないということです。日本人のお客様のご注文でも、同じ場所でつまずいています。
お名前:電話ではそもそもカタカナで書いている
あるオーナーの方は、電話でご予約を受けるときのことを「カタカナで苗字を書いたりすることが多いんですよね」と話していらっしゃいました。別のお店でも、忙しい時期の電話では、お名前と電話番号だけを伺い、漢字までは聞かないと伺っています。
つまり、日本人のお客様のお名前でさえ、伝票には正確な表記では残っていないことが多いのです。耳で聞いたことのない響きのお名前なら、なおさら書き取りは難しくなります。お名前は、聞いて書くより、ご本人に書いていただくほうが確実です。
連絡先:メールアドレスは、ご本人の入力でも間違える
ここは正直に書いておきたいところです。「お客様に入力していただけば間違いはなくなる」と言いたいところですが、そうとは限りません。
「アドレスでつまずいて。大文字、小文字を間違えてるとか」「半分ぐらいの割合でついてまわるリスクじゃないかなと思います」
― Web予約の設定をご一緒したケーキ屋さんのオーナー
メールアドレスは、ご本人が打ち込んでも1文字違うだけで届かなくなります。だから、メールアドレスだけに頼らず、電話番号も必ず一緒に伺っておくのが安全です。連絡がつかないときの手段が残ります。確認メールが届かないときの対処は、予約確認メールが届かない・迷惑メールに入る問題の記事にまとめています。
プレートの文字:綴りは、耳ではなく文字で受け取る
誕生日ケーキのメッセージプレートに、お名前をアルファベットで入れてほしいというご注文もあります。英語の綴りは、口頭で一文字ずつ伝えていただいても聞き間違いが起きやすいものです。1文字違いのプレートは、作り直すしかありません。
プレートの文字は、お客様ご本人に紙かスマートフォンで書いていただき、それをそのまま見て作るのがいちばん確実です。プレートや数字クッキーの伝達ミスを減らす工夫は、のしとカスタマイズ注文をさばく方法でも詳しく書いています。
行き違いが起きやすい場所と、受け方の早見表
| 項目 | 起きやすい行き違い | 受け方 |
|---|---|---|
| お名前 | 耳で聞いた音をカタカナで書くため、表記が残らない | ご本人に書いていただく |
| 連絡先 | メールアドレスの1文字違いで連絡が届かない | 電話番号も必ずセットで伺う |
| プレートの文字 | アルファベットの綴りの聞き間違い | 書いていただいた文字をそのまま見て作る |
| サイズ | 「号」が通じず、思っていた大きさと違う | 直径(cm)と何人分を写真つきで見せる |
| 受け取り日時 | 日付の言い間違い・聞き間違い | カレンダーを指さして確かめる/控えを渡す |
どれも、外国籍のお客様のためだけの工夫ではありません。誰のご注文でも間違いが減る受け方です。電話予約で起きる行き違い全般については、ケーキ屋さんの電話予約あるある6選もあわせてご覧ください。
大きいサイズの注文を受けられる用意

もうひとつ、オーナーの方から伺って印象に残った話があります。ホールケーキは年々小さくなり、いまは4号や5号が中心だと言われます。ところが、大人数で集まってお祝いをする文化のご家庭からは、大きなサイズのご注文がまとまって入ることがあるそうです。
ケーキが小さくなる流れのなかで、まったく逆を向いた需要が同じ町に残っているということです。大きいサイズは一台あたりの売上も大きくなります。ただし、受けられる用意がなければ、そのご注文はほかのお店へ行ってしまいます。
「号」ではなく、直径と人数で見せる
ケーキの「号」は、1号=約3cmで数える日本独特の数え方です。日本で長く暮らしている方でも、6号と言われてすぐに大きさが浮かぶとは限りません。サイズは「6号(直径約18cm)・何人分」のように、直径と人数を並べ、できれば写真で見せるのが親切です。号数と人数の目安は、ケーキのサイズ早見表にまとめています。
大きいサイズは、締め切りを先に決めて見せる
大きいサイズは、ふだん使わない型やスポンジの準備が必要です。あるお店では、7号は準備に時間がかかるため、ほかのサイズより受付の締め切りに余裕を持たせていると伺いました。また別のお店では、Webの予約画面に載せていない大きさを希望される場合は、店頭か電話で相談してもらうよう案内を出しています。
大切なのは、「何号まで受けられるか」「何日前までなら受けられるか」をお店が先に決めて、見える場所に書いておくことです。言葉で何度もやり取りしなくても、お客様が自分で判断できるようになります。受け取りの時間帯の決め方は、受け取り時間の決め方とリードタイム設定の記事が参考になると思います。
今日からできる3つの準備

ここまでの話を、明日からお店でできる形にまとめます。どれも大きな費用はかかりません。
外国籍のお客様にも、日本人のお客様にも効く3つの準備
英語や中国語の案内も、あるに越したことはありません。ただ、冒頭のお店がそうだったように「一応置いておく」くらいで十分なことが多いようです。先に整えるべきは、言葉よりも、数字と写真と「書いていただく仕組み」です。
そしてこの3つは、そのままWeb予約の考え方でもあります。お客様がご自分のスマートフォンで、お名前・連絡先・サイズ・受け取り日時を入力する。お店はそれを確認する。受付を「お店が聞き取って書く仕事」から「お客様が書いて、お店は確かめる仕事」に変えると、聞き間違いが入り込む場所が減ります。
よくある質問
Q. 外国籍のお客様のために、多言語のメニューや注文画面は必要ですか?
日本で暮らしている方の多くは日本語で注文されるため、まずは必須ではありません。先に整えたいのは、号数の横に直径と人数を書いたサイズ表や写真など、言葉に頼らずに伝わる情報です。そのうえで、余裕があれば英語などの簡単な案内を添えると安心していただけます。
Q. 聞き慣れないお名前を電話で聞き取るのが不安です。どうすればいいですか?
お名前は、聞いて書くよりご本人に書いていただくほうが確実です。店頭なら注文票に書いていただき、電話ならWeb予約や申込用紙に切り替えていただく方法があります。あわせて電話番号を必ず伺っておくと、受け取りの日に照合しやすくなります。
Q. 大人数向けの大きいケーキの注文は、いつまでに受ければいいですか?
型やスポンジの準備が必要になるため、ふだんのサイズより締め切りに余裕を持たせているお店があります。何号まで受けられるか、何日前までなら受けられるかをお店で決め、店頭とWebの見える場所に書いておくと、お客様が自分で判断できて、問い合わせのやり取りも減ります。
私たちが料金の形にこだわる理由
私たちは、ケーキ店専用 店頭受取予約+AI販促プラットフォーム「いつでもケーキ」を運営しています。お客様がご自分でお名前・連絡先・サイズ・受け取り日時を入力して予約と支払いを済ませ、お店はその内容を確認するだけ、という仕組みです。導入しているお店のデータでは、Web予約の約51%が営業時間外に入っています。お店が閉まっている時間にも、お客様は予約をしたいのです。
料金は、初期費用0円・月額0円で、売れた分だけ注文代金の5.5% + 決済手数料3.6%をいただく形にしています。冒頭のオーナーの方とお話ししたときも、私はこの話をしました。売れなければ、私たちにはお金が入ってこない。だから、お店の売上がどうすれば上がるかを一緒に考えるしかない。町のお客様が変わっていくなら、その変化に合わせてお店が取りこぼさない仕組みを、同じ船に乗って作っていきたいと考えています。
ホームページがなくても、SNSと地図だけで集客していたお店が、注文の受け口だけを足して始めた例もあります(ケーキハウスカスカワ様の導入事例)。
ケーキ屋さん向けのサービスです
店頭受取のWeb予約を、初期費用0円・月額0円ではじめる
ケーキ店専用 店頭受取予約+AI販促プラットフォーム「いつでもケーキ」。実際にケーキ屋さんと一緒に開発したので、営業時間外の注文も受けられます。
サービス紹介ページが開きます。その場での申し込みは不要です。
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