カフェのテイクアウトの事前注文は、その場で受け取る「当日の注文」と分けて、ホールケーキや焼き菓子のように日にちを決めて受け取る商品だけを、ネットの予約で受けるのが現実的です。2つは受け取りまでの時間も、お店が準備することも違うからです。
誕生日のホールケーキ、手土産の焼き菓子の詰め合わせ、季節のタルト。カフェでも、こうした注文を電話やInstagramのDMで受けているお店は少なくありません。注文が増えるほど、営業中に電話が鳴り、閉店後にDMの返信が残ります。
私たちは、テイクアウト専門のお店「GHOST BENTO」を自分たちで運営し、いまはケーキ屋さん向けの予約の仕組みを作っています。この記事では、カフェのテイクアウトの事前注文をネットで受けるときに、何から分けて、何を確かめ、費用をどう比べればいいかをまとめます。
この記事の結論
この記事の内容
テイクアウトの「当日の注文」と「事前の予約」は別のもの

テイクアウトの注文には、その日のうちに受け取る「当日の注文」と、日にちを決めて受け取る「事前の予約」の2種類があります。同じ「テイクアウト」でも、お店がやることはかなり違います。
カフェのテイクアウト注文の2種類
| 当日の注文 | 事前の予約 | |
|---|---|---|
| 商品の例 | コーヒー、サンドイッチ、お弁当 | ホールケーキ、焼き菓子の詰め合わせ、季節の商品 |
| 受け取りまで | その日のうち | 数日前〜前日に受けて、決めた日に渡す |
| お店がやること | 注文が入ったら作って渡す | 数を見て仕込み、日にちごとに作る |
当日の注文は、注文が入ってから受け取りまでが短く、「今どれだけ注文が入っているか」をお店がすぐに見られることが大切です。一方の事前の予約は、何日に、何を、いくつ作るかを前もって決めるための注文です。仕込みの量や、作れる数の上限が関わってきます。
この2つを1つの仕組みで受けようとすると、どちらかに無理が出やすくなります。この記事では、後者の事前の予約をネットで受ける方法に絞ってお話しします。
事前の予約を電話やDMで受けると起きること

電話やDMで受ける予約は、受けたあとに「書き写す」作業が必ず残ります。注文が少ないうちは気になりませんが、数が増えると、この作業が営業時間の外にあふれ出します。
私たちが面談でお話を伺ったお店の中には、テイクアウト用の注文の仕組みをすでに入れていても、毎朝オーナーがメールで届いた注文を目で確かめ、画面を撮って紙に印刷し、厨房に回しているところがありました。ネットで注文を受けていても、作る人の手元に届くまでは手作業です。
別のお店では、デリバリーやネット通販のサービスをいくつも同時に使っていました。そのうちの1つでは、店頭で受け取る注文にかかる手数料が高く、商品の値段に上乗せできないというお話でした。注文の入り口が増えるほど、管理する画面も増えていきます。
電話で受ける場合は、もっと単純な問題も起きます。営業中に電話が鳴れば手が止まり、営業時間の外にかかってきた電話はそのまま取りこぼしになります。私たちのケーキ屋さんの導入店のデータでは、Web予約の約51%が営業時間外に入っています。お客様が予約を思い立つのは、お店が閉まっている時間も多いのです。
どの商品を事前注文にするか

最初からメニュー全部をネットにする必要はありません。日にちを決めて受け取る商品から始めるのが、いちばん無理がありません。カフェで事前注文に向くのは、次のような商品です。
1.ホールケーキ(誕生日・記念日)
サイズやプレートの文字など、1件ごとに中身が違う注文です。電話で聞き取ると聞き間違いが起きやすく、お客様に自分で入力してもらうだけで、書き写す手間と間違いが一緒に減ります。サイズの選び方はケーキのサイズ早見表が参考になります。
2.焼き菓子の詰め合わせ(手土産・お返し)
「何日の何時に、いくつ」が決まっている注文です。まとめて頼まれることも多く、前もって数が分かれば、焼く量を決めやすくなります。ホールケーキの予約ページに一緒に並べておくのも一つの方法です。
3.季節の商品(クリスマス・行事)
クリスマスのケーキやシュトーレン、行事の前に出す限定の商品は、注文が短い期間に集中します。受け付ける期間と数を先に決めておけるので、ネットの予約と相性のよい商品です。
反対に、その場で作って渡すコーヒーや軽食は、事前の予約に乗せる必要はありません。当日の注文が中心なら、当日の注文のための仕組み(モバイルオーダーなど)を別に比べるほうが合っています。
事前注文をネットで受けるときに確かめる4点
選ぶときは、機能の数より「お店の作り方に合わせて上限と締め切りを決められるか」を見ます。確かめたいのは、次の4つです。
1.受け取りの時間帯ごとに、上限を決められるか
お祝いのケーキは、午前中や夕方の受け取りに集中します。「10時〜12時は何件まで」と時間帯ごとに上限を持てると、受け取りの時間に注文が重なりすぎるのを防げます。決め方は受け取り時間の決め方とリードタイム設定に書きました。
2.商品ごとに、何日前まで受けるかを決められるか
焼き菓子は前日まで、ホールケーキは2日前まで、季節の商品は受付期間を決めて、というように、締め切りは商品ごとに違うのが普通です。全商品が同じ締め切りだと、作るのに時間がかかる商品で無理が出ます。
3.サイズ・文字・個数を、お客様が自分で入力できるか
サイズ、プレートの文字、ろうそく、のし、個数。こうした中身をお客様が選んで入力できれば、お店が聞き取って書き写す工程がなくなります。注文を確かめる連絡の往復も減ります。
4.事前決済と店頭払いを選べるか
事前決済にすると、受け取りのときの会計がなくなり、作ったのに取りに来られない予約への備えにもなります。一方で、お店の事情や常連のお客様のために、店頭で払う予約も残せるかは確かめておきたいところです。取りに来られなかった予約への備え方は無断キャンセルは請求できる?にまとめています。
月額制と従量課金、費用の比べ方

予約の仕組みの費用は、「毎月決まった額を払う月額制」と「売れた分だけ払う従量課金」を、お店の月の予約売上で比べると答えが出ます。どちらが得かは、仕組みの良し悪しではなく、お店の予約の量で決まります。
たとえば、Squareの解説では、テイクアウトの事前注文を受ける注文フォームや注文サイトを初期費用なしで作れ、月額は無料と有料のプランから選べると説明されています(決済ごとの手数料は別)。LINEのミニアプリで使えるテイクアウトのパッケージには、初期費用5万円〜・月額1万2千円〜と書かれているものもあります(出典:Square「【飲食店向け】スマホでの事前注文&決済」/LINEヤフー for Business「Yappli Mobile Order『テイクアウト』」・いずれも2026年10月26日確認)。仕組みによって、費用の形はかなり違います。
比べるときは、次の式を使います。決済手数料は、多くの仕組みで別にかかるので、ここでは外して考えます。
従量課金の月の費用 = 月の予約売上 × 利用料の率
月額制と同じになる売上 = 月額料金 ÷ 利用料の率
利用料の率を5.5%、比べる月額制を月1万円として、架空の数字で計算すると次のようになります。
計算例:利用料5.5%と月額1万円を比べる(決済手数料は別)
| 月の予約売上 | 利用料5.5% | 月額1万円との差 |
|---|---|---|
| 3万円 | 1,650円 | 8,350円 安い |
| 10万円 | 5,500円 | 4,500円 安い |
| 20万円 | 11,000円 | 1,000円 高い |
| 30万円 | 16,500円 | 6,500円 高い |
この例では、月の予約売上が約18万円(1万円÷5.5%)より少ないうちは従量課金、多くなると月額制のほうが安くなります。お店の月の予約売上と、比べたい仕組みの月額料金を入れれば、境目が出ます。なお、私たちの仕組みでは、事前決済を使う注文には利用料5.5%とは別に決済手数料3.6%がかかります。比べる相手の決済手数料も、同じように別に確かめてください。
数字にもう1つ足したいのが、予約が少ない月にいくらかかるかです。テイクアウトの事前の予約は、クリスマスや行事のある月に集中し、そうでない月は少なくなりがちです。月額制は予約が0件の月にも料金がかかり、従量課金は予約が入らない月の費用が0円になります。予約システム全体の比べ方は予約システムの比較にもまとめています。
テイクアウト店を自分たちで運営して分かったこと

テイクアウトで一番大切なのは、お客様が「いつ受け取れるか」を注文の前に分かることでした。これは、私たちがテイクアウト専門のお店を運営して学んだことです。
私たちは2021年から、名古屋市緑区で「GHOST BENTO」というテイクアウト専門のお店を運営してきました。コロナ禍に、人と顔を合わせずに受け渡しができるようにと、スマートロッカーで受け取る仕組みを、機械もソフトも自分たちで作りました。スマホで注文し、できあがったらロッカーから受け取る形です。
運営してみると、注文を受けてから一つずつ作るので、混み合う時間にはお待たせすることもありました。寒い中で長くお待ちいただいた、というお声をいただいたこともあります。いまの注文ページでは、注文の前に目安の提供時間が表示されるようにしています。待ち時間そのものより、「いつ受け取れるか分からないこと」がお客様の不満になると感じています。
事前の予約は、この悩みが起きにくい注文の形です。受け取りの日時をお客様が先に選び、お店はその時間に合わせて用意できます。私たちがケーキ屋さん向けの予約の仕組みを作るときにも、この経験がもとになっています。
私たちの予約の仕組みの場合

私たちが運営しているケーキ店専用 店頭受取予約+AI販促プラットフォーム「いつでもケーキ」は、カフェや飲食店のテイクアウトの事前の予約にも使っていただけます。名前は「ケーキ店専用」ですが、仕組みは「日にちを決めて店頭で受け取る予約」のために作っているからです。
できることは、この記事で挙げた4点に沿っています。24時間のネット受付、サイズやプレートなどのオプション、受け取りの時間帯ごとの受付の上限、在庫の管理、事前決済、予約の一覧と、PDF・CSVでの予約データの出力です。メニューの登録は、メニュー表をお預かりして私たちがお手伝いしています。
料金はケーキ屋さんと同じで、初期費用0円・月額0円、売れた分だけ注文代金の5.5% + 事前決済を使う場合の決済手数料3.6%をいただく形です。予約が入らない月は、私たちも1円もいただけません。お店の予約が増えてはじめて私たちも続けられる、同じ船に乗る仕組みだと考えています。
ただし、私たちの仕組みは、日にちを決めて受け取る予約のために作っています。コーヒーや軽食をその場で注文して受け取る、当日の注文が中心のお店は、当日の注文のための仕組みもあわせて比べてください。
よくある質問
Q. テイクアウトの事前注文は、何日前まで受ければいいですか?
商品ごとに決めるのがおすすめです。作るのに時間がかかる商品ほど締め切りを早くし、焼き菓子のように用意しやすい商品は前日まで、といった形で分けます。クリスマスなどの季節の商品は、受付の期間と数を先に決めておきます。
Q. カフェでも、いつでもケーキを使えますか?
使えます。ホールケーキや焼き菓子、季節の商品など、日にちを決めて店頭で受け取る事前の予約に向いています。料金はケーキ屋さんと同じで、初期費用0円・月額0円、売れた分だけ5.5% + 事前決済を使う場合の決済手数料3.6%です。当日の注文が中心の場合は、当日の注文のための仕組みもあわせて比べてください。
Q. 事前決済にしないといけませんか?
いいえ。事前決済にすると受け取りのときの会計がなくなり、取りに来られない予約への備えにもなりますが、店頭で払う予約を残すこともできます。お店の事情や、常連のお客様の払い方に合わせて決めてください。
Q. 月額制と従量課金は、どちらが得ですか?
お店の月の予約売上で決まります。「月額料金÷利用料の率」で、両方が同じになる売上が出ます。たとえば月額1万円と利用料5.5%なら約18万円で、これより予約売上が少ないうちは従量課金のほうが安くなります。予約の少ない月にも費用がかかるかどうかも、あわせて比べてください。
お店向けのサービスです
テイクアウトの事前の予約を、ネットで受け付けませんか
ケーキ店専用 店頭受取予約+AI販促プラットフォーム「いつでもケーキ」。初期費用0円・月額0円で、受け取りの時間帯ごとの上限、サイズやプレートのオプション、事前決済に対応した予約ページを、メニュー表からご用意します。
サービス紹介ページが開きます。その場での申し込みは不要です。
がだんだん株式会社 代表取締役。1938年創業の新聞販売店の4代目として約15年経営したのち、2020年にがだんだん株式会社を設立。2023年からケーキ店専用の予約の仕組み「いつでもケーキ」を導入店とともに開発し、2026年4月に本格的な販売を開始。ケーキ屋さんへの導入とメニュー登録の立ち上げを自ら担当している。
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