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ケーキの原価率は何%?公庫データでは約38%|黒字のケーキ屋さんは原価より人件費が低かった

ケーキの原価率は何%?公庫データでは約38%|黒字のケーキ屋さんは原価より人件費が低かった

ケーキの原価率は何%が目安なのか。ケーキ屋さんのオーナーの方とお話ししていると、この質問はよく出てきます。昔から「原価は3割」と言われてきましたが、材料がここまで上がると、その数字のままでいいのか不安になるのは当然だと思います。

先に結論を書きます。日本政策金融公庫の2025年度の調査では、ケーキ屋さんを含む「菓子小売業(製造小売)」の売上原価は、売上のおよそ38%でした。そして意外なことに、黒字のお店のほうが原価率は少し高く、差がついていたのは人件費と諸経費でした。原価率だけを下げようとしても、利益は残りにくいということです。

この記事では、公的な統計と、ケーキ屋さんのオーナーの方から伺った声、そして私自身が新聞販売店を15年経営していたときの経験をもとに、原価率の見方と、利益を残すための考え方をまとめます。

ケーキの原価率は何%?公的データで見る目安

ケーキの原価率を、個人のブログや経験談ではなく公的な統計で確かめられる資料があります。日本政策金融公庫が毎年まとめている「小企業の経営指標調査」です。公庫が融資した従業者50人未満の小企業の決算書を、業種ごとに集計したものです。

2025年度の調査(2026年8月掲載)には、店で作って店で売る「菓子小売業(製造小売)」の数字が載っています。ケーキ屋さんはまさにこの業種です。集計の対象は70社でした。

菓子小売業(製造小売)の主な数字(売上を100としたときの割合)

項目 全体の平均(70社) 黒字のお店の平均(20社)
売上原価(=原価率) 約38% 約40%
売上総利益(粗利) 62.0% 60.4%
人件費 37.2% 33.5%
諸経費 30.5% 24.6%
経常利益(最終的に残る利益) −2.4% 4.2%

※「黒字のお店」は、調査の「黒字かつ自己資本プラス企業」。原価率は売上総利益率(粗利率)から計算した値です。売上は原則として消費税込み。(出典:日本政策金融公庫 総合研究所「小企業の経営指標調査」2025年度 業種別経営指標(卸売・小売業)菓子小売業(製造小売)/調査の概要)

つまり、ケーキ屋さんの原価率の目安は「売上の4割弱」です。昔から言われる「3割」よりは高めに出ています。

ひとつ注意があります。決算書の「売上原価」には、材料費のほか、製造にかかった費用として計上されたものが含まれることがあります。お店で「このケーキの原価率は何%」と言うときの、材料費だけの原価率とは、計算の範囲がずれることがあります。それでも、同じ業種の決算書を同じ物差しで並べた数字なので、自分のお店の位置を知る目安としては十分に使えます。

黒字のお店は、原価率より人件費が低かった

上の表で、私がいちばん大事だと思うのは右の列です。黒字のお店の原価率は約40%で、全体の平均(約38%)より少し高いのです。いい材料を使い、原価をかけているお店のほうが、むしろ利益を残しています。

では、どこで差がついているのか。人件費(37.2%→33.5%)と諸経費(30.5%→24.6%)です。この2つを合わせると、売上の約10ポイント分の差になります。全体の平均では最終的な利益がマイナスなのに、黒字のお店ではプラス4.2%残っているのは、この差によるものです。

少人数でお店を回しているあるオーナーの方は、こうおっしゃっていました。

「少数精鋭でいいと思っているので、もう売上げじゃなくて、利益はどれだけ残すか」

このお店は営業時間を絞って営業されていて、「アイテム数が多すぎる」ともおっしゃっていました。材料を安くするのではなく、時間とお金が漏れていく場所を減らそうとされていたのです。

ケーキは、材料の質がそのまま味に出る商品です。原価率を下げるために材料を落とすのは、いちばん最後の手段にしたほうがいいと私は考えています。先に見るべきは、作ること以外にかかっている人の時間と経費です。

ケーキ1台の原価の出し方

ケーキ 原価率 材料費 箱 保冷剤 ろうそく 1台の原価
※イメージ画像

お店全体の原価率とは別に、商品ごとの原価率も押さえておくと、どの商品で利益が出ているかが見えるようになります。計算の手順はシンプルです。

1台の原価率の出し方

・手順1:レシピの材料を、仕入れ値で1台分に割り戻して足す(生クリーム・卵・小麦粉・砂糖・バター・フルーツなど)
・手順2:箱・保冷剤・ろうそく・プレートなど、1台につけて渡すものを足す
・手順3:売れ残りや作り直しの分を上乗せする(10台作って1台が出なければ、材料費は9台で割る)
・手順4:合計を売価で割る=その商品の原価率

数字の動きを見るために、例をひとつ置きます。以下は計算の仕方を説明するための仮の数字で、実際の仕入れ値や売価はお店ごとに大きく違います。

例:売価4,000円の5号ホールケーキ(仮の数字)

項目 金額 原価率
材料費 1,200円 30.0%
+箱・保冷剤・ろうそく・プレート 200円 35.0%
+売れ残り(10台中1台)の割り戻し 約156円 約38.9%

材料費だけなら「3割」に収まっていても、箱や保冷剤を足し、売れ残りを割り戻すと、4割近くまで上がります。「材料費は3割のはずなのに、なぜかお金が残らない」と感じるときは、この差が原因になっていることが多いです。

逆に言えば、売れ残りを減らすだけで原価率は下がります。予約で受けるホールケーキは、作る数が先に決まるので、この割り戻しがほとんど出ません。誕生日のケーキを予約中心にしているお店が利益を残しやすいのは、このためでもあります。

ネット予約の手数料も、原価と同じように足しておく

ネット予約やネット注文の仕組みを使っている場合は、売上に対してかかる手数料も、1台ごとの費用として足して考えておくと正確です。月額の固定費は商品ごとには割り振りにくいですが、売上に対する手数料なら、上の表にそのまま1行足せます。

私たちのサービスで言えば、注文代金の5.5% + 決済手数料3.6%です。上の例の4,000円のケーキなら364円になります。自社のサービスの手数料を「原価として足してください」と書くのは不思議に思われるかもしれませんが、値付けをするときに見えない費用を残さないことのほうが、お店にとって大事だと考えています。

焼き菓子の原価率で見落としやすいもの

焼き菓子 原価率 個包装 乾燥剤 ラベル ギフト箱
※イメージ画像

焼き菓子の原価率も、考え方はケーキと同じです。ただ、生ケーキとは費用のかかり方が違うので、ケーキと同じ感覚で値付けすると、ずれが出やすくなります。

焼き菓子で見落としやすいのは、1個ごとにかかる包装の費用です。個包装の袋、乾燥剤や脱酸素剤、食品表示のラベル、ギフト用の箱やリボン。1個あたりは小さな金額でも、単価の低いお菓子ほど、原価率に占める割合は大きくなります。

もうひとつは、詰め合わせにしたときの原価です。単品の原価率が整っていても、箱代を足した詰め合わせの値付けを単品の合計で決めると、箱の分だけ原価率が上がります。ギフトの詰め合わせは、単品とは別に1つの商品として原価を出しておくのがおすすめです。

一方で、焼き菓子は日持ちするので、生ケーキほど売れ残りの割り戻しは大きくなりにくい商品です。生ケーキで原価率が上がりやすいお店ほど、焼き菓子の売上の比率が全体の原価率を左右します。お店全体で見るときは、ケーキと焼き菓子を分けて計算してみてください。

原価表に載らない「電話の時間」という原価

公庫のデータで、黒字のお店との差が大きかったのは人件費でした。ケーキ屋さんの人件費の中には、作ることとは別の時間がかなり混ざっています。その代表が、電話での注文受付です。

私たちが導入店で見てきた数字では、デザインケーキの電話注文は1件で約15分かかっていました。1日5件で75分です。営業日を月25日として計算すると、1か月で約31時間になります。この時間は原価表のどこにも載りませんが、確実に人件費として出ていっています。

原材料の値上がりに悩んでいたあるオーナーの方は、困っていることとして、材料と並んで電話の応対を挙げていました。

「電話の応対といいますか」

「原材料がどんどんどんどん上がってきちゃってる」

材料は自分では下げられません。でも、電話に取られている時間は、受付の仕方を変えれば減らせます。値上げできない分のコストを、作ること以外の作業を減らして吸収したい。この方のお考えは、公庫のデータが示している「黒字のお店は人件費が低い」という結果とも重なります。

値上げの前に、順番に見直すこと

ケーキ屋さん 値上げ 前に 見直す ショーケース ホールケーキ
※イメージ画像

原価率が上がったとき、まず思いつくのは値上げです。必要な値上げは、ためらわずにしたほうがいいと思います。ただ、値上げだけで解決しようとするのは危ないとも感じています。

私は新聞販売店を15年経営していました。その間に、新聞の購読料がおよそ15%値上げされたことがあります。売上は一時的に増えましたが、解約が増えて、13か月で値上げの増収分は消えてしまいました。お客様が離れていく速さは、値上げをする側が思っているよりずっと早いものです。

だから私は、次の順番で見直すことをおすすめしています。

・1.商品ごとの原価率を出す(上の4つの手順。箱・保冷剤・売れ残りまで含める)
・2.売れ残りを減らす(予約で受ける商品を増やし、作る数を先に決める)
・3.作ること以外の時間を減らす(電話・DM・予約の書き写し)
・4.それでも足りない分を値上げする(何が変わったかを、言葉にしてお客様に伝える)

値上げを伝えるときの具体的な言い方は、ケーキ屋さんの値上げ・価格転嫁の伝え方にまとめています。開業前で、これから原価や収益の計画を立てる方は、ケーキ屋さんの開業ガイドもあわせてご覧ください。

私たちが料金の形にこだわる理由

私たちは、ケーキ店専用 店頭受取予約+AI販促プラットフォーム「いつでもケーキ」を運営しています。お客様がスマホから予約と事前決済までを済ませるので、電話での聞き取りや書き写しを減らせます。予約で受けるので、作る数も先に決まります。導入したお店では、クリスマスの電話対応が29時間減った例もあります(導入店の実データはこちら)。

料金は、初期費用0円・月額0円で、売れた分だけ注文代金の5.5% + 決済手数料3.6%をいただく形にしています。原価と人件費に悩んでいるお店に、毎月の固定費をもう一つ増やしたくなかったからです。売れなければ私たちも稼げない。だから、お店の売上と時間が増える機能を全力で作るしかない。同じ船に乗る、という考え方で作っています。

ホームページがなくても、SNSと地図だけで集客していたお店が、注文の受け口だけを足して始めた例もあります(ケーキハウスカスカワ様の導入事例)。

よくある質問

Q. ケーキ屋さんの原価率は何%が目安ですか?

日本政策金融公庫の「小企業の経営指標調査」(2025年度)では、ケーキ屋さんを含む菓子小売業(製造小売)の売上原価は、売上のおよそ38%でした。黒字のお店の平均では約40%です。昔から言われる「3割」より高めに出ています。

Q. 原価率には、材料費のほかに何を含めればいいですか?

箱・保冷剤・ろうそく・プレートなど1台ごとに渡すもの、焼き菓子なら個包装や乾燥剤・ラベル、そして売れ残りや作り直しの分を含めると、実態に近づきます。ネット予約の手数料のように売上に対してかかる費用も、1台ごとに足しておくと値付けの判断がしやすくなります。

Q. 原価率が上がったら、すぐに値上げしたほうがいいですか?

必要な値上げはためらわずに行ってかまいませんが、値上げだけで解決しようとすると、お客様が離れて増収分が消えることがあります。公庫のデータでは、黒字のお店と全体の差は原価率ではなく人件費と諸経費にありました。売れ残りや電話受付の時間など、作ること以外の費用を先に見直すのがおすすめです。

ケーキ屋さん向けのサービスです

店頭受取のWeb予約を、初期費用0円・月額0円ではじめる

ケーキ店専用 店頭受取予約+AI販促プラットフォーム「いつでもケーキ」。実際にケーキ屋さんと一緒に開発したので、営業時間外の注文も受けられます。

導入例と料金を見る

サービス紹介ページが開きます。その場での申し込みは不要です。

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